世界でも有数の地震大国である日本。今後30年以内には南海トラフ地震と首都直下型地震において、大規模な地震が高い確率で発生すると予測されており、被害を少しでも減らすために耐震対策が必要とされております。
そこで振れの抑制に役立つ因幡電工の振れ止め支持金具 クロスロックシリーズをご紹介します。
1.日本で地震が多い理由と、これから発生が予測されている地震
地震は、地下で起きる岩盤の「ズレ」により発生する現象です。例えば、硬い物に何らかの力がかかり、それに耐えられなくなるとひびが入ってしまいます。地下でも同様に岩盤に力がかかっており、それに耐えられなくなると岩盤がズレて地震が起こります。
プレートの境界が密集しているために、日本は世界でも有数の地震大国・多発国となっています。
出典:国土交通省 気象庁「地震発生のしくみ:日本周辺で地震の起こる場所」https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
近年でも、平成30年(2018年)北海道胆振東部地震や令和6年(2024年)能登半島地震など、震度7を記録する大地震がたびたび発生し、甚大な被害をもたらしています。
地震が発生するタイミングの正確な予測は、現在の科学的知見では不可能ですが、過去の発生記録から大まかな平均発生間隔や震度が分かり、一定期間における発生確率や被害規模が予測されている地震もあります。
例えば遠くない未来に発生が予測されている大規模な地震として、南海トラフ地震があげられます。南海トラフ地震は、太平洋側の広い範囲に影響し、30年以内に70~80%(2024年1月時点)の確率で発生すると予測され、揺れによる建物被害は最大で約136万棟と想定されています。
またマグニチュード7クラスの首都直下地震も30年以内に70%(2020年1月時点)の確率で発生することが予測されます。
地震によって建物被害が起こると、死傷者や要救助者などの人的被害を引き起こしかねません。
予測されている大地震やそれ以外の予測されていない地震においても、建物被害と人的被害をできるだけ最小限に抑えられるように建物への耐震対策を進める必要があります。
2.吊り下げられた機器類に対する耐震の指針とは?
地震による建物被害は多岐にわたりますが、建物内部において懸念される建築設備被害が、ボルトなどによって吊り下げられた機器類の落下です。
平成23年(2011年)の東日本大震災の際には、揺れによる支持部分の破損やゆるみから吊り天井や吊り設備が落下する被害が発生し、落下物による死傷者の報告が各地でありました。
このような地震による建築設備被害を受けて、一般財団法人 日本建築センターが発行している「建築設備耐震設計・施工指針」は東日本大震災での被害を教訓に2014改訂され、建築設備の適切な耐震性をもたせるための実務的な耐震支持方法として示されました。
また国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和4年版」(第2章 施工 第1節 機器の据付け及び取付け)で、マルチパッケージ形空気調和機などの屋内機が天井吊形やカセット形の場合の設置は、吊り用ボルトで行い、下図のような振れ止めを施すように記載がされております。
▼機器振れ止め要領
出典:国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和4年版」の機器振れ止要領
https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001472443.pdf
3. 耐震や配管に対応した振れ止め支持金具「クロスロックシリーズ」!
吊り機器の落下による地震設備被害を減らすため、因幡電工では「建築設備耐震設計施工指針 準拠品」「国土交通省標準仕様書 合致品」のボルトに取り付ける、振れ止め支持金具「クロスロックシリーズ」を展開しています。
■振れ止め支持金具 クロスロック ボルト固定式「FL-V」
クロスロック「FL-V」は、吊りボルトと振れ抑制ボルトを挟んで、電動ドライバーで締めるだけで振れを抑制できる、ボルト固定式の振れ止め支持金具です。
挟んで締めるだけの省施工なので、従来の当社製品と比べて施工時間を50%削減します。
■振れ止め支持金具 クロスロック ボルト固定式「FL-D」
クロスロック「FL-D」はFL-Vとセットで使用し、振れ抑制ボルトの交差部を挟み、電動ドライバーでナットを締めるだけで振れを抑制できる、ボルト固定式の振れ止め金具です。
振れ止め支持金具 クロスロック「FL-V」「FL-D」は、3次元振動台で新潟中越地震(小千谷波)と東日本大震災(仙台波)の地震波を再現する耐震試験を行い、その耐震性能を確認しています。
クロスロック「FL-V」 「FL-D」の耐震性能試験の様子は、こちらからご確認いただけます。
今後30年以内に発生すると予測されている「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」に備えて、被害の減少に貢献できるクロスロックシリーズを、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
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