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イナバノート

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2023.09.20お役立ち情報

冷媒用被覆銅管の保温材の接続、配管の支持、保温材の保護及び防火区画貫通部の処理について知ろう!(一般社団法人 日本銅センター「冷媒用被覆銅管施工マニュアル」より転載)|INABA note vol.9

INABA note vol.5で「冷媒用被覆銅管の多種多様な接続について説明!」で様々な接続についてご紹介しましたが、次に保温材の接続や保護の方法、配管の支持についてご説明します。
防火区画貫通部の処理は、国土交通大臣認定工法で施工する必要があります。
それぞれのポイントを理解しておきましょう。

1.保温材の接続

(1)保温材施工上の注意
保温材は、長さ方向で最大約2%程度(4m当たり約80mm)収縮する。
そのため、保温材収縮による引っ張り力に耐えうる処置が必要となり、処置しない場合、保温材同士の接続部に隙間が生じ、結露による水濡れが生じることがある。

保温材施工時は、保温材が引っ張られた状態にならないようにする。

2)接続前の準備
接続部の表面、端面のゴミや埃、油分、水分等をよく取り除き、隙間がでないように接続面を整える。

3)接続
以下の何れかの方法で保温材同士を接続する。

接着剤による接続
保温材端面部に専用接着剤を塗布し、端面同士がずれないように貼り合わせる。
接着剤が固まるまで、保温材がずれないようにテープや専用シート等を用いて仮止めする。
接着剤は、 保温材の材質に応じて選び、固着までの時間等については、接着剤メーカーの指示によること。
接着剤による接続-因幡電工(INABA DENKO)

専用テープによる接続
保温材端面に隙間が生じないように突き合せし、保温材接続用の専用テープを用いて、 保温材の接続部がテープの中央になるように巻き付ける。その後、巻き付け部を手でしっかり押さえてなじませる。
※巻き付け量等については、各メーカーの指示によること。※一般のビニールテープではなく、保温材接続専用のテープを使用すること。
専用テープによる接続-因幡電工(INABA DENKO)


2.配管の支持

(1)横走り管
冷媒用被覆銅管の横走り管の支持は、結露防止のため保温材の上から支持する。
自重による保温材のつぶれを防止するため、幅の広い保護部材で支持する。
支持間隔は管のたわみ防止のため、外径9.52mm以下は1.5m以下とし、12.7mm以上は、2m以下とする。
なお、液管・ガス管共吊りの場合は液管の外径とする。
横走り管-因幡電工(INABA DENKO)

(2)立て管
立て管は、配管重量(自重)による銅管のずれ落ち防止、および熱伸縮量を上下均等に逃がして最下部および最上部の負担を低減するため、中間の1箇所を専用の金具で固定し、それ以外は各階1箇所以上振れ止め支持する。
※立て管の中間の1箇所を固定していないと、立て管の熱伸縮ズレにより、最下部のエルボに負担がかかるため、座屈を引き起こすおそれがある。
※最下部・最上部に立て管の熱伸縮量を吸収できる措置が別途に必要となる場合もある。
立て管-因幡電工(INABA DENKO)
冷媒用被覆銅管の立て管の振れ止め支持は、結露防止のため保温材の上から支持する。


3.保温材の保護

(1)保護
保温材は耐候性が低いことから、紫外線があたるような屋外環境では、保温化粧ケースに収納するか、専用のテープを巻き付け保護する。
保護-因幡電工(INABA DENKO)

※立て管では専用のテープを巻き付ける場合は、水が入らないように下から上に巻き付けていく。

立て管では専用のテープを巻き付ける場合-因幡電工(INABA DENKO)


4.防火区画貫通部の処理

(1)貫通部処理工法の選定
配管貫通部が防火区画の場合、貫通部の構造に適応した国土交通大臣認定工法で処理する必要がある。
国土交通大臣認定工法は、専門メーカーから各種販売されているため、貫通部の構造や配管種別、およびサイズ等に適した工法を選定する。

(2)開口孔径の選定
貫通する配管の銅管サイズ、保温材厚、本数を確認し、上記(1)で採用した工法の取扱説明書等から貫通する壁または床に設ける開口穴径を選定する。

(3)開口孔の作成
RC構造の場合はコンクリート打設時にボイド管等を埋設、ALCや中空壁等の場合は後加工で開口孔を設けるが、開口孔寸法やスリーブ使用の可否等、採用した工法の認定内容によって異なるため確認が必要。

(4)配管等の貫通
開口孔に対して、配管等を施工する。

(5)貫通部の処理
貫通部を付属のパテで埋める等、上記(1)で採用した国土交通大臣認定工法通りに処理する。
※特に外壁貫通の場合は、雨水侵入防止の処理が必要となるが、処理方法が貫通部処理した国土交通大臣認定工法の範囲から、外れることにならないか注意が必要。


保温材の保護には、とにかく紫外線が当たらないようにすることと、機械的なダメージを受けないようにすること。
また防火区画貫通部の処理は、国土交通大臣認定工法の範囲から逸脱しないなど、それぞれのポイントに注意しましょう。


【冷媒用被覆銅管の保温材の接続、配管の支持、保温材の保護及び防火区画貫通部の処理について知ろう!|INABA note vol.9】

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